気になる事例

ゴミ箱に捨ててもらうにはどうすればいいか

最近は公園にいってもゴミ箱が少なくなり、各自で持ち帰るというのがスタンダードになりつつあります。

理由としては「家庭ゴミが捨てられる」「カラスがあさる」「犬の糞やタバコの吸殻をビニール袋に入れて捨てられてしまう」などが多いようです。ゴミを持ち帰るぐらいなら置いていこうか、みたいな考え方にもなったりしそうで、悪循環にもつながりそうな気もしますが、ゴミ箱を設置するならするでメンテナンスの問題などもあり、なかなか難しいですね。

海外ではテロ対策としてゴミ箱を撤去する動きもあるようですが、逆にスイスはポイ捨てされたゴミがほとんどないそうです。その理由としては、至るところにゴミ箱が設置されているからです。電車内の各座席ごと、レストランの各テーブルごとにゴミ箱が設置されていて、散歩コースにはビニール袋付きのゴミ箱があるなど、至るところにゴミ箱が。日本では考えられないですね。

それだけゴミ箱があればわざわざポイ捨てはしないかもしれませんが、ゴミ箱の少ない日本でいかにゴミ箱に捨ててもらうかの興味深い事例のご紹介です。それはフォルクスワーゲン社のチームが制作したゴミ箱、その名も「The world’s deepest dustbin(世界一深いゴミ箱)」です。

音を利用したものなので、動画をみていただくのが早いのですが、ゴミをゴミ箱に入れると、そのゴミが地下深くに落ちていくような音がします。もちろん、ゴミ箱自体は普通のものなので、実際には地下に落ちているわけではありません。ゴミを捨てた人は不思議に思い、じっくり観察する。面白いので、他のゴミもこのゴミ箱に捨てたくなる、という仕組みです。

ゴミを入れたときに音を流す、というやっている事自体は単純明快なのですが、素晴らしいデザインですね。このゴミ箱は、普通のゴミ箱の約1.5倍のゴミが捨てられるようになったそうです。

ルール違反するから排除する、というのはカンタンなのですが、ルール違反をする人がいたとしても、どうすればその行動を改善できるのか、という方向で考えるほうが建設的でいいですね。

このゴミ箱に、ゴミを捨ててみたい!

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