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電気を使わず、冷蔵保存する方法

梅雨も明け、夏らしくなってきましたね。
家の近所でも、打ち水をされている方を多く見かけるようになってきました。
海だ!プールだ!キャンプだ!と出かけたくなりますが、今年は我慢の夏になりそうです。

さて、そんな夏の風物詩でもある打ち水をすると、なぜ涼しく感じるのかご存知でしょうか。

実は、それは「気化熱」を利用しているからです。
気化熱とは、液体が気体になる際に接している物質から吸収する熱のことです。液体が蒸発するためには熱が必要で、その熱はその液体が接している物質から奪うことで蒸発します。お風呂上がりに早く体を拭かないと体が冷えるのも、これと同じ理屈ですね。

電気のない途上国の農村部では、作物が保存できないことは生命に関わる深刻な問題です。そんな問題を気化熱で解決したのがナイジェリアで開発された「Pot in Pot Cooler(ポットインポット・クーラー)」です。

引用元:Fandom

まずサイズ違いの陶器を2つ用意します。小さめの陶器をもうひとつの陶器の中に入れ、その間を砂と水で埋める。この水が蒸発するとき、小さい方の陶器の中から熱を奪うため、陶器の中が冷蔵庫のような役割をし、作物を保存しておける、という仕組みです。

動画でつくり方が公開されていましたが、ほんとにカンタンそうです。

これにより、通常は2、3日しかもたないトマトが、約20日間も保存しておけるようになったそうです。作物が保存できないと、収穫したものはすぐに市場に運び、売る必要があり、それ自体は子どもたちの役目でしたが、この製品ができてからは、毎日市場に通う必要もなくなり、学校に通える子もでてきたそうです。すごい!

また陶器はナイジェリアの伝統的産業でもあります。安価で、かつ現地で調達できる素材を使う、というのは建築の発想に似ていますね。気化熱という自然現象を活用したアイデアで、環境にもマッチした素晴らしいデザインだと思いました。ポットインポットというネーミングも、わかりやすさの中に親しみがあっていいですね。

小学二年生の長男に「一番好きな科目は何?」って聞いたら「理科!」って即答していたので、将来が楽しみです。

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