気になる事例

デンマークの改札機のデザイン

コロナ禍で電車にのる機会はめっきり減りましたが、それでも大阪駅等のターミナル駅にいくと、人で溢れています。日本一乗車人数の多い新宿駅だと、一日に約80万人の方が駅を利用するそう。80万人って想像しづらい数字ですが、自動改札機にもそれだけの人数が通過していると思うと、やっぱり自動改札機ってすごいですね。

よく秀逸なデザインとして取り上げられるSuica改札機ですが、開発当初は5回トライして1回しか成功しないという成功率で、実用化には程遠かったそうですが、ICカードのタッチ部を傾斜13度にすると、カードの読み取りに必要な0.2秒という時間分、改札を通る人は傾斜部にICカードを当てるようになり、成功率は磁気式と同等以上になったそうです。

この結果から、ICカード用の改札機は爆発的に増え、今や主要都市の改札はすべてこの改札機じゃないでしょうか。見栄えはほとんど変えず、カタチで行動を誘発するデザインで、本当に秀逸だと思います。

そんな中、デンマークにある改札機はどのようなものかご存知でしょうか。実はデンマークには改札機自体がありません。

もちろん、きっぷを購入する機械はあるのですが、それをチェックする改札機はないんです。きっぷを購入したら、そのままホームにいき、電車に乗り、目的地までいきます。それだと無賃乗車されるんじゃないのと思うかもしれませんが、電車内では車掌さんがきっぷ確認に回ってきます。もし、このときにきっぷを持っていないと罰金になります。ただ、きっぷのチェックはこの巡回チェックだけです。場合によっては無賃乗車されるかもしれませんね。

日本でいう性善説に基づいた考え方なんですが、実は理にかなっている考え方のような気もします。無賃乗車をする人に対応しようと思うと、全駅に改札機を設けて、それを定期的にメンテナンスする必要があります。有人の改札にするなら人件費もかかりますね。そのコストと無賃乗車する人の割合を考えると、どちらがメリットが大きいか。デンマークに今でも改札機がないことを考えると、興味深いものがあります。

日本の改札機のように行動を誘発するデザインももちろん秀逸ですが、電車に乗ってから降りるまでに自動できっぷのチェックをすること自体不要ではないか、こういう考えができるデザイナーも貴重だなと思う事例でした。

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