日本は自動販売機の数が異常に多いと言われています。確かに海外に行くと、ほとんど自動販売機を見なかった印象があります。多い理由にはいくつかありますが、まずはなんと言っても治安の良さ。治安が悪い地域では、自動販売機が壊されるのは当たり前だそうです。あとは人口密度。アメリカに比べると、日本の人口密度の高さは約10倍なので、必然的に自動販売機も多くなるんですね。
自動販売機を個人事業としておきたいなと思っていた時期があって、駅のホームとかよさそうだなと考えていました。自動販売機の設置場所別の売上げランキングが、1位がオフィス街、2位が学校近辺、3位が自動販売機が集中して並んでいる場所のようですが、駅のホームもそこそこ売れるんじゃないのと思っていましたが、そんなに世の中甘くないようです。そこで「駅にある自動販売機の売上を上げたい」と言われたらどうするでしょうか。そんな課題を、世界的に有名なデザインファームのIDEOが意外な解決策で実現したそうです。
その解決策に至るまで、まずはホームで歩く人を徹底的に観察することから始めたそうです。自動販売機の前を素通りする人、横にあるベンチに腰掛ける人、自動販売機は見るが購入意欲がなさそうな人、購入しようとしてお金を入れる人、どれにしようか迷っている人など、さまざまな人がいました。さらに観察を続けると、多く人が「電車の待ち時間を気にして腕時計を見る」「自動販売機で購入する人は、次の電車が来るまでに時間があるかどうか時計を見る」といった「駅のホームでは時間を確認する」という共通点を発見しました。
そんな発見から行った施策は、自動販売機と時計をセットにして置くこと。
施策としてはそれだけですが、実際に売上は向上したそうです。
徹底的に観察し、そこから導き出された発見から施策を行う。やっていることは当たり前の事かもしれませんが、実現するには相当な労力が必要だと思います。日本でも同じように売り上げが上がるかとなると、お国事情や文化も違うので難しいところですが、自動販売機の売上アップに限らず、様々な事案にも応用できそうですね。
ちなみに日本の駅で一番?売れている自動販売機は横浜駅にあるそうです。
1台で年間28万本、3,600万円という売り上げを誇るのは、JR横浜駅横須賀線、9番10番ホームの大船寄りに設置されている自販機。圧倒的な売上げの高さに関係者の間で「マンモス」というニックネームもついている。
補充は1日5~6回、それでも売り切れることが珍しくない。始発時に満タンになっていても朝のラッシュが終わるともうカラッポ。一番売れる夏場には、月間400万円を売り上げたことも!
元々、JR横浜駅は自販機の売り上げが全体的に高く、毎月100万円以上を売り上げる自販機がいくつもある。街中の自販機は、月に10万円売り上げれば「ソコソコ売れている」と言われるらしい。JR横浜駅はまさに桁違いだ。
SaaS系企業のwebチームに所属しています。デザイナーとして広告代理店・フリーランスで3年、ディレクターとしてweb制作会社で14年の経験を経て現職。デザインで世の中をよくできたらいいな。 好き/デザイン・読書・ゲーム・麻雀・ビール・日本酒・バスケ・MMA/二児の父/英語勉強中/徳島出身/大阪在住
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